匠の土づくり講座 7

13.08.07



連載 7「土を知ろう④ 腹八分目」


健康を保つためには、まずおいしいバランスの良い食事を摂ることが大切です。

私も若い時のようになんでも食べられなくなってきています。

もちろん、お酒の量も年々減っています。健康が一番です。

また、最近では、胃に負担をかけ胃潰瘍になる方も少なくありません。

 

土の健康も実は、全く人間と同じなのです。

土の食事は、いわゆる有機質肥料や土壌改良資材であり、具体的にはアンモニア(窒素)、

石灰や苦土、加里などがあります。

有機質有機質肥料として必要なものは、とくに窒素と加里なのですが、その量から見ると

石灰>苦土>加里の順で、この三つは水に溶けるとアルカリ性になるので、

「塩基(えんき)」と呼ばれています。


また、前回に紹介した「土の胃袋」の中には、この石灰、苦土、加里の三成分

でほぼ満たされていると考えてください。


一般的に野菜をつくるための理想的な塩基の量は、胃袋(CEC)に占める塩基の

割合が80%程度であり、この胃袋占める塩基の割合のことを「塩基飽和度」と言います。

この塩基飽和度が理解できれば、石灰や苦土の施用法も気になるところですが、

またのお話にしたいと思います。このように、土の健康も人の健康もことわざにあるように

「腹八分目」が一番良さそうです。



長生き、土づくりのヒントは、「腹八分目」だと思います。