匠の土づくり講座 10
13.10.21
連載10「土を知ろう⑦ 土のイーシー」
土の電気伝導率は、土の中の塩類の集積状態を把握するための重要な指標です。
土の電気伝導率は「EC:イーシー」と呼ばれ、農家の方なら誰でも馴染みの
ある用語として知られています。
畜産農家である私は土の勉強をするまで、全く知らない用語でした。
CEC(シーイーシ:陽イオン交換容量)と良く混同し、間違える方も
多いので注意してください。
さてECは、土壌中の塩類が多いほどプラスのイオンやマイナスのイオンが
存在するため、電気が流れやすくなり、その結果電気抵抗が小さくなるので、
ECが高くなるといった具合に表現されます。ちょっと難しいかもしれませんね。
言い換えるとECは、土の中の塩類濃度や肥料の残存量を知るための
バロメーターなのです。
最近ではこのECを簡易に測定できるペン型の機器なども市販されているので
ぜひ一度お使いいただきたいと思います。簡単に測れるはずです。
では、このECの見方は? どの程度の値がいいのでしょうか?
土の中のECは、肥料を撒いた後を除いてはだいたい0.2から0.5ぐらいの値
が適当です。1.0以上ではその濃度が濃く、作物が障害を受ける可能性があります。
化学肥料はECを高めやすく、有機質肥料は高めにくいなどといった噂をよく
耳にしますが、有機質肥料であってもたくさん撒けば化学肥料以上にECが高まります。
無駄な肥料や堆肥(有機物)を土壌に入れないことが
土を守る技術と言えるのかもしれませんね。