匠の土づくり講座 12

13.12.25

連載12「土を知ろう⑨ 土のリン酸吸収係数」


リン酸は、植物に必要な三要素の中でも特に水に溶けにくい性質があるようです。

このため、リン酸肥料を畑に撒いても土壌中に存在するリン酸イオンはわずかです。

このリン酸イオンは、磁石で言うマイナスの電気を帯びているため、カルシウム

やカリウムなどのプラスの電気を帯びているものとは異なり、土壌に引っ付く力

が弱いそうです。


また、リン酸イオンは、土壌中のアルミニウムや鉄などと反応して水に溶けない

化合物に変わってしまいます。このことを「リン酸の固定」と呼んでいます。


このリン酸の固定力を表す指標として「リン酸吸収係数」という言葉があります。


リン酸吸収係数は、黒ボク土や東海地方の台地に分布する赤黄色土など、

酸性が強い土壌でその値が大きいことが知られています。リン酸吸収係数の

値が大きい土壌ほどリン酸が効きにくく、百グラムの土壌に千ミリグラム程度

がその境界線(効く効かないのポイント)と考えてください。


したがって、昔から「黒い土はリン酸が効かない。そうゆう土にはリン酸肥料

をたっぷりやろう」という指導が行われてきました。


本当にそうなのでしょうか?

本当にリン酸肥料は必要なのかと畜産農家ながら思ってしまいます。