匠の土づくり講座 15

14.03.24

 

連載15「土のしくみ① 土の中の水 」


前回までは、土を知っていただくための講座でしたが、今回からは少し

「しくみ」について、お話を進めさせていただきます。

中部エコテックさんも、4月からは、新しい肥料製造機を

販売するそうですが、非常に楽しみです。


さて、大きなタオルに水を浸し、それを持ち上げてみた!

想像してみてください。


タオルの水はポタポタと落ちています。タオルの繊維が水を引き

つけている力よりも、地球の重力のほうが強い力でタオルの中の

水を引っ張っていると気づいた方も多いことでしょう。


また、この水がなくなると、タオルが引っ張る力と地球が引っ張る

力が同じになっていくため、ポタポタ落ちなくなります。

さらに、手でこのタオルを絞ることによってしみでてくる水もあります。

手で絞ることにより、地球の重力以上の力がタオルの繊維に引き

つけられていた水をタオルから引き離したためです。

しかし、それ以上の強い力でタオルに引きつけられている水は、

まだタオルに残っています。


このような現象は「土壌」の中でも起こっています。

土壌中の水分はさまざまな力によって保たれています。もし、

この力がなかったならば、雨の水は土壌を通過し、

地下へ全て流れていくはずです。


したがって、雨が降ったすぐに土壌は乾燥状態になり、作物など

とても栽培できる環境にはないはずです。

タオルや土壌がさまざまな力で水を引きつけることは、タオルの繊維の

間や土壌の中の粒子の間にある隙間に何か秘密が隠されているかも

しれません。


よい土の条件として肥料持ち、水持ち、水はけがあげられますが、

よい土とは、いったいどのような性質を持っているのでしょうか。


次回から、「土のしくみ」について紹介していきます。