匠の土づくり講座  18

14.06.26

 

連載18「土のしくみ④ 土の動物」


梅雨が長く、ジメジメしていますね。

さて、前回は土の中の小さな小さな微生物について解説しました。

今月は、少し大きくなった土の中にいる小動物を紹介していきます。


土壌動物は、森の落葉や落枝、畑の作物残さなどの植物遺体(しょくぶついたい)

からなる有機物を食べて、細かくしたり、土壌の表面にある動植物遺体などの

有機物を土壌に引きずり込んで土壌と有機物を混合する重要な役割があります。


一体何を言いたいのかわかりませんよね。では、少しわかりやすく説明します。


例えば、ミミズでは、有機物が消化管を通過すると2mm以下に破砕されると

言われています。

トビムシやダニなどはもっと小さく破砕され、その後に続く細菌や糸状菌に

よって有機物の分解が進むのです。


ミミズが土壌表面の有機物を引きずり込む行動では、ミミズは植物遺体を

食べるだけでなく、同時に土壌も食べることになります。

このとき、ミミズは土壌の粒子と有機物を混合してふん土と呼ばれる「粒子」

をつくって土壌の表面に排出するのです。


見たことがあると思うのですが、土壌の表面に盛り上がったふん土はふん塚と

呼ばれています。

少し昔の試験例ですが、ミミズが作るふん塚は年間1平米あたり2~4kgにもなるそうです。


これを土の表面にならすと3mmぐらいの厚さになるのは驚くべき事実です。

したがって、ミミズが作物の生産にかなり貢献し、土壌の性質を変化させるうえで

重要な働きを持つことは言うまでもありません。

しかし、前述のようにこのふん土の生成量は年間にしてもせいぜい数m程度のこと

なので、ミミズだけで土壌改良を行うことはナンセンスなのかもしれません。